高度成長期以降、熱帯雨林で促成された木材が大量に輸入された。外材でつくられた日本家屋の寿命のいかに短いことか。阪神淡路大震災では、そういった外材で造られた家屋がたくさん倒壊した。悲しむべきことである。二インチ×四インチの木材で枠組みをつくり、その上に構造用の合板を打ち付けて組み立てる枠組壁工法がツーバイフォーだ。なんてことはない、2×4とはまさに材木の太さの呼称なのである。この工法は簡易で、熟練の技がいらない。しかしそのために、日本人が古来より伝えてきた、伝統の匠の技が失われるとしたら、大変な損失である。また、このツーバイフォーエ法の家が、はたして本当に日本にふさわしい住まいなのだろうか。そのことについては第Ⅳ章でじっくり述べることにしたい。さてさらに、私たち建築家についてはどうか。どんなにヨーロッパに学んでも、アメリカに学んでも、つまるところ我々は日本人なのである。世界に羽ばたくということもあろうが、多くの場合は日本に家を建てる。その土地土地に合った家を建てることがどんなに大切なことか。よしんば世界に出ていったとしても、日本人としてのアイデンティティーのない建築家に、どんな個性が認められるというのだろう。我と我が身を売り、帰る場所をなくした者は惨めである。古都臼杵での初めての経験と試練は、私にそのことを気づかせてくれた。貴重な戒めである。
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