国土の大きさ

国土の大きさは、当然のごとく住まいの大きさにも影響をあたえる。広さを追えば、土地代に苦しみ、遠距離通勤に苦しむ。結局狭い土地に設計するとなると、さまざまな制約が出てくる。狭い土地に建てたにもかかわらず、「狭苦しさ」を感じないようにするにはどうすればいいのか。そのための創意工夫をしなければならない。日々の生活のなかで、設計という現場で、私は常に考えた。後述する「狭楽しさ」という住まい方の発見と提案のきっかけはここにある。次に「風土」だが、日本の住まいは昔から、とにかく湿気に悩まされてきた。これは、東北の一部や北海道をのぞく八○パーセント以上の土地でいえることだ。読者の皆さんは、たかだか湿気ごときに、なにをそんなにうろたえると思うだろうか。ところがこの湿気、実に恐ろしいものなのである。風雨、地震などに耐える頑強な造りの家が、たかだか湿気で朽ちて、倒壊することもあるのだ。室内にはびこるカビもバカにできない。これも湿気が大きな原因となる。模様替えをしようと家具を動かして、壁にびっしり生えた真っ黒のカビに怖じ気づいたことがある人もいるだろう。このカビは瑞息やアトピーを誘発する。除湿機や除湿剤が飛ぶように売れているのも、みな湿気対策のためである。経済大国日本は、実は湿気大国といってもいい。いかなる湿気対策を住まいに施すことができるか。それは日本の建築家にとってのメインテーマといってもいい。私もリフォーム、新築を問わず、この対策には頭を悩ませる。

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